2016年09月30日

オリンピック報奨金、人材募集の留意点

★ 川口明彦税理士事務所 事務所だより 2016年10月号 ★


日増しに秋の気配が濃くなってまいりました。
風邪など召されませぬよう、お身体ご自愛下さい。

それでは、今月の事務所だよりをお届けします。


平成28年10月の税務

10/11
●9月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

10/17
●特別農業所得者への予定納税基準額等の通知

10/31
●8月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●2月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の2月、5月、11月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の7月、8月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(6月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>


○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第3期分)



オリンピックの報奨金


◆オリンピックの報奨金
 
 南米で初めてのブラジル・リオデジャネイロオリンピックは、財政難の中、悲喜こもごもいろいろありましたが、日本選手のメダルラッシュで無事終わりました。オリンピックのメダリストには(財)日本オリンピック委員会から金メダルの選手には500万円(従来の300万円から増額)、銀メダルの選手200万円、銅メダルの選手100万円の報奨金が贈呈されます。この報奨金に税金はかかるのでしょうか。


◆沼津市出身の岩崎恭子選手のおかげ
 
 オリンピックの報奨金には1993年まで一時所得として所得税が課されていましたが、1994年の税制改正でオリンピック競技における成績優秀者を表彰するものとして交付される金品が非課税となりました。
 そのきっかけとなったのが、1992年のバルセロナ大会で岩崎恭子選手が金メダルを獲得したことです。岩崎選手は平泳ぎでみごと金メダルを獲得し、報奨金300万円を受けましたが、この報奨金300万円について一時所得として課税された上、扶養家族にも該当しなくなってしまいました。中学生が国のために尽くしたのに税金をとるのはおかしいと非難されて話題になり、このことを契機としてオリンピックの報奨金に税金が課されなくなったのです。


◆報奨金はアルベールビルから
 
 日本でこの報奨金の支給が始まったのは1992年のアルベールビル冬季大会からだということです。それ以前の選手たちは報奨金はなしでした。短い間にずいぶん変わってきましたね。
 余談ですが、後援会やスポンサー企業等(財)日本オリンピック委員会(加盟団体を含む)以外からの報奨金等は、当然にも課税されます。


人材募集の留意点


◆労働者募集に際しての注意点
 
 人材募集に関して有効求人倍率は1.37倍と求人が活発な状況にありますが、労働者の募集に際して注意をする点について考えてみたいと思います。法的に規則で規制されている事項は主に3つあります。

1.年齢について・・募集に関しては原則として年齢制限を設けてはならない事になっています。例外として、定年年齢を上限としてその年齢未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集する場合、例えば若年者等のキャリア形成を図る為、期間の定めのない労働契約の対象者として募集する時や技能、ノウハウを継承する観点から特定の職種において年齢層の人数の偏りを是正する為、特定の年齢層を期間の定めのない労働契約の対象として募集する時等です。年齢制限の上限を設ける場合にはその理由を書面により提示する事で若年層の募集も実施できるようになります。

2.性別について・・男性のみの募集、女性のみの募集は男女雇用機会均等法で原則禁止されており、例外としてはエステシャンのような風紀上、男性か女性に限定するものやホスト、ホステス等業務の性質上どちらか一方の性に従事させる事が必要であったり、守衛、警備員等防犯上男性のみに限定する者等があります。

3.求人広告の内容・・職業安定法では求職者に誤解を与えるような虚偽の広告や虚偽の条件を提示して労働者募集を行うと罰金が科されます。また、職業の紹介にあたっては労働条件を求職者に明示する事が求められます。具体的に従事すべき業務内容、労働契約の期間、就業場所、労働時間、賃金等の明示が義務付けられています。

 平成28年4月にハローワークに出す求人に固定残業代の表示の仕方に対しての指針がありました。固定残業代(定額残業代とも言う)とは「一定の時間分の時間外労働や休日労働、深夜労働等を定額で支給する割増賃金」制度で、これを採用している企業の求人はその労働時間数や金額の計算方法、固定残業代を除いた基本給の表示、固定残業代を超えた時間数の割増賃金の追加支払い等を明示しなければならないとされました。




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