沼津が舞台のミステリー小説
高校時代の同級生が江戸川乱歩賞をとってしまった。
曽根圭介 『沈底魚』
圭介君が長編2作目の『沈底魚』で江戸川乱歩賞を受賞したのは2年前の話です。
『図地反転』は、今年の9月にでたばかりの新刊、舞台は沼津。
「目の前はもう駿河湾だが、高い堤防に阻まれ、海面は見えない。ドアを開けると、夏の夜の熱気とともに、懐かしい潮の香りが車内に流れ込んできた。」(197頁)
沼津の千本浜に車で行った時の描写だが、こんなディテールが好きだ。
僕らが通った高校の移転前の校舎があった市役所前の香陵グランドを、広陵グランドと書きかえる感覚もいいよね。
沼津の図書館に行くと、彼の写真パネルが、郷土ゆかりの作家、井上靖さん、大岡信さん、筑紫哲也さんのとなりにでーんと飾ってある。
すごいな~。
高校時代は空手部で、校門を出るのが野球部、サッカー部よりも、夜遅いときも結構あったのではないでしょうか。
映画監督なんかで、世に出てもおかしくないと思っていたけど、
圭介、やっぱ大物だ。
『図地反転』には、沼津、香貫大橋、狩野川、千本浜、三島、伊豆、富士駅前、静岡駅前など、静岡県東部地区を中心に県内の様々な場所が出てきます。
静岡県のみなさん、秋の夜長にでも読んでみるのはいかがでしょうか。
関連記事