ドラッカー、○○経営セミナーへのアンチテーゼ

taxman

2012年01月30日 08:59

NHKで、「もし高校野球の女子マネジャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を見ました。

高校野球を扱ったアニメとしては、よくできていると思いました。

ドラッカーの『マネジメント 基本と原則』を開いてみましたが、現時点の私にはあまり得ることのない本でした。


「経営学」とは、ある意味で「生きた経営」を扱えるのでしょうか。「生きた経営」とは、社長のパーソナリティ、会計情報、心理学、哲学(心情)、外部要因、経営戦略等が複合的に絡み合っています。「経営学」とは、果たして体系化できるものなのでしょうか?マネジメントには、基本と原則が、存在しうるのでしょうか?

著書に記されていることをそのまま、経営の実践で行動していいものか、私には疑問です。
ドラッカーを尊敬している税理士先生には好きなタイプの税理士もいらっしゃいますが・・・。

会計学に限界があるように、経営学の限界は、会計学より大きいと思います。

ドラッカーの著書は、その限界を踏まえた上で、距離を置いて読むくらいならいい本なのかもしれませんが。


大学時代やその後に読んだ、

村松司叙『現代経営学総論』、中央経済社

土屋守章『現代企業入門』、日経文庫

奥村昭博『経営戦略』、日経文庫

などの方が印象に残っています。

会計事務所の中には、「○○経営セミナー」などを頻繁に行っている事務所もありますが、私は経営学の限界を感じているので、そのようなセミナーはあまり開催しようとは、思っていません。「生きた経営」というのは、会計事務所の会議室などに、社長を一か所に数十人集めて、講義できるほど単純なものではありません。そういうことをするのは、人を集め易いし、楽だし、顧客獲得のツールになっています。しかし、「生きた経営」とは、そんな単純なものではないと思っています。私の事務所では、30社あれば30社なりの、各々のクライアントに合った、個別の提案をさせて頂いております。そこには、その会社オリジナルの「生きた経営戦略」が存在しているのではないでしょうか。

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