2010年10月18日

年金型生命保険の所得税還付、固定資産税について

★ 川口明彦税理士事務所 事務所だより 2010年10月号 ★

芸術の秋、味覚の秋となりました。
秋の夜長、いかがお過ごしでしょうか。

それでは、今月の事務所だよりをお届けします。

◆ 平成22年10月の税務

10月12日
●9月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

10月15日
●特別農業所得者への予定納税基準額等の通知

11月1日
●8月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●2月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の2月、5月、11月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の7月、8月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(6月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

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○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第3期分)


◆ 年金型生命保険二重課税問題、10月下旬から所得税還付

 財務省と国税庁は、年金払い方式の生命保険に相続税と所得税がかかる「二重課税問題」で、取り過ぎた所得税の還付を10月下旬から始める旨の報道がありました。
 複数年に分けて受け取る保険金のうち、1年目の所得税を全額還付し、元本部分と運用益との支払いを受ける2年目以降についても、元本部分にかかっていた所得税は、時効になる前の過去5年分にさかのぼって還付する模様です。(年金払い方式の個人年金保険や学資保険も含む。)
 対象は最大20万件程度とみられ、今後、財務省と国税庁は、9月中に還付方法などの概要を公表する見通しで、契約者には国税庁から依頼を受けた生命保険各社が通知する方向です。

 生命保険業界は、「元本部分と運用益部分を切り分けるのは難しい」として、2年目以降も所得税全額を還付するよう要請し、交渉が難航していましたが、生命保険業界側も税務当局の判断に従うことにしたとみられ、両者の合意で、早期の還付開始が可能になったといわれます。
 今後、救済措置を表明していた5年超の還付については、法的な措置が必要なため、引き続き検討されます。

(注意)
 上記の記載内容は、平成22年8月31日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。


◆ 固定資産税について


◇固定資産税とは?
 
 固定資産税とは、毎年1月1日に土地・家屋・償却資産を所有している人が、固定資産の価格を元にして算出された税額を、それら固定資産の所在する市町村(東京都特別区の場合は都)へ納める税金のことをいいます。一方、固定資産税と併せて課税される都市計画税は、都市計画法によって固定資産税の対象と同一の土地・家屋を所有している人に課税される目的税です。


◇どのように課税されるの?
 
 固定資産税の税率は一律1.4%ですが(地方税法350①)、都市計画税については条例で税率が定められています。
 但し、市区町村の各区域内に同一人が所有する固定資産の課税標準額の合計額が、それぞれ土地30万円・家屋20万円未満の場合は、固定資産税が課税されません。
 ところで、課税される土地の地目は、必ずしも登記と同じではなく、現況によって評価されます。また、市町村がどのようにしてそれらを評価し課税しているのか、一定の手続により回答を得られるようです。


◇償却資産税については?
 
 償却資産とは、土地・家屋以外の事業用資産(但し自動車税等の対象となる車両は除く)で、所得税法又は法人税法の所得の計算上減価償却の対象となる資産をいいます。償却資産に該当するか否かが争われた判例があります。
 賃借人(納税者)が、いわゆる「スケルトン貸し(裸貸し)」といわれる賃貸借契約により、賃借人(納税者)が建物に付加して設置した事業用資産の所有権は賃借人に帰属するとし、固定資産税を負担すべき者は家屋の所有者ではなく、内部造作を使用している賃借人(納税者)である、と判断されたものです(東京地裁平成18年(行ウ)第669号、東京高裁平成19年(行コ)第125号)。
 固定資産税の市町村税収額における割合はおよそ40%(都市計画税と合わせると50%)となっていることからも、市町村にとっては重要な財源です。

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川口 明彦 税理士事務所
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