2014年04月23日

事業承継 後継者選びと教育、経営理念の浸透策

★ 川口明彦税理士事務所  事務所だより  2014年5月号 ★

新緑の色増す季節となってまいりました。
いかがお過ごしでしょうか。

それでは、今月の事務所だよりをお届けします。

平成26年5月の税務

5/12
●4月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

5/15
●特別農業所得者の承認申請

6/2
●3月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●個人の道府県民税及び市町村民税の特別徴収税額の通知
●3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●9月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が400万円超の6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の2月、3月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(1月決算法人は2ヶ月分、個人事業者は3ヶ月分)<消費税・地方消費税>
●確定申告税額の延納届出に係る延納税額の納付

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○自動車税の納付
○鉱区税の納付


経営理念の浸透策

 経営理念とは「組織の存在意義や使命を、普遍的な形で表した基本的価値観の表明」で、それが社員によく理解され、日常業務の遂行に生かされて、業績向上に貢献し、社内外の利害関係者の納得と支持が得られてこそ、経営理念の浸透が図られた、と言え、近年の経営管理で大変重要視されています。しかし、経営理念の浸透策は、短期間で出来るものではなく、経営者の継続的努力が必要になります。そこで、いかに経営理念を社員に理解、浸透させるか、その具体策について述べましょう。


◆経営理念に基づく日常活動
 
 社員に経営理念を理解浸透させるポイントは、「個々の管理者・社員が担当業務の遂行、つまり日常活動において、経営理念を基本とした考え方、行動を徹底すること」にあります。多くの企業では、業務の主要な部分が目標管理で遂行されており。そこに経営理念が生きている状態こそ、首尾一貫して、日常社長が口にしている経営理念と社員がやっている仕事のやり方に矛盾がなく、社内外の関係者が納得するばかりでなく、健全経営の実践に繋がって行きます。
 では、そうなるために経営者は何をしたら良いか、その具体的な実践方法のヒントを述べましょう。



◆経営理念の浸透、経営者の留意点
 
 経営理念が社員に理解、浸透して行くプロセスは、経営戦略・年度経営計画の策定、それに基づく目標管理制度運用の流れになりますから、経営者は社員に次のように働きかけることが重要です。

1.経営理念を事業展開に具体的に生かす経営戦略、年度経営計画の起案を、担当役員・管理者・起案担当者に要請し、チェックする。

2.目標管理制度など業績管理システムの運用において、戦略・年度計画に基づく目標設定・達成プロセスで経営理念に基づく考え方、行動を徹底するよう全管理者・社員に要請する。

3.要請に止まらず、「経営理念に基づく行動の実践状況」を目標達成度とともにプロセス評価に組み入れてフォローアップする。

4.管理者研修に「経営理念浸透策」を取り上げ、自部署の実例を発表させて相互の研鑽、工夫を求める。




事業承継 後継者選びと教育



◆後継者選びで考慮すること
 
 親族以外から後継者を選ぶと決めた時は、今まで事業を承継する意思がないと思っていた親族が突然、「継ぐ」と言い出す事もあるため、事前に親族会議を開く等、意向を確認してから始めることが大事です。又、兄弟等で後継者となる子とならない子がいる時は後継者でない子には自社株式や事業資産以外の財産を承継させ、兄弟間の承継バランスを取る配慮も必要です。
 後継者の決定は現経営者の決定権や発言権のあるうちに行う事がよく、後継者が複数いる場合は争いや分裂が起きないよう、現経営者が後継者を決めることが大事でしょう。後継者が決まった後も会長としてバックアップして、段階的に権限委譲して行くこともできます。


◆内部や外部での後継者教育
 
 後継者を選定した後には、以前から社内に勤務していた人かどうか、置かれた状況により、行う教育は異なりますが、円滑な事業承継のためには、積極的な教育が不可欠です。方法としては次のようなことが考えられます。

①内部での教育
ア、各部門(財務・営業・労務等)を回って、従事してみることで会社全般の必要な経験や知識を習得することができます。
イ、役員など責任ある地位につけて権限を委譲し重要な意思決定やリーダーシップを発揮する機会を与えて経営者の自覚をうながします。
ウ、現経営者による指導 この事は当然行ないますが、経営のノウハウや業界の状況、経営理念等の引継ぎをします。

②外部での教育
ア、他社勤務の経験をさせ、人脈の形成や新しい経営手法を学ぶ等、社外でのノウハウを習得します。
イ、子会社、関連会社の経営をさせる事で責任感を持たせ、資質の確認もできます。

 このような後継者育成でリーダーシップやマネージメント能力を高める事ができるでしょう。


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川口 明彦 税理士事務所
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