2020年05月08日

成年後見制度と税理士

★ 川口明彦税理士事務所 事務所だより 2020年5月号 ★


若葉が目にまぶしい季節になりました。
季節の変わり目でございますので、お身体を大切になさってください。

それでは、今月の事務所だよりをお届けします。


2020年5月の税務


5/11
●4月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

5/15
●特別農業所得者の承認申請

6/1
●個人の道府県民税及び市町村民税の特別徴収税額の通知
●3月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●9月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の2月、3月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(1月決算法人は2か月分、個人事業者は3か月分)<消費税・地方消費税>
●確定申告税額の延納届出に係る延納税額の納付

○自動車税(種別割)の納付(5月中において都道府県の条例で定める日)
○鉱区税の納付(5月中において都道府県の条例で定める日)


持続化補助金(小規模事業者向けの補助金です)


◆小規模事業者対策として
 
 小規模事業者には自社の商品を宣伝しブランド力を高めるといった共通の課題があります。しかし自社努力だけではなかなか解決できません。そんな事業者に最適な補助金で、地域の商工会議所や商工会の助言を受けながら計画を策定します。その計画に沿った販路開拓や業務効率に取り組めば費用の2/3が補助されます。補助上限は50万円です。


◆応募の要件
 
 商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く)は常時使用する従業員の数5人以下で、サービス業のうち宿泊業・娯楽業と製造業その他の業種は常時使用する従業員の数20人以下がそれぞれ要件となります。また、持続的な経営に向けた経営計画を策定していることが応募の前提となります。
 事業計画期間において「給与支給総額が年率平均1.5%以上向上」、「事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上」を満たすことが加点要件になっています。
 産業競争力強化法に基づく「認定市区町村による特定創業支援等事業の支援」を受けた小規模事業者については、補助上限額が100万円に引き上がります。


◆どんな取り組みが対象になるの?
 
 販路開拓の取り組みとして、飲食店が売り上げを伸ばすためにインバウンド向けの英語表記のメニューやのぼりの作成が考えられます。また、宿泊業者が外国人向けのwebサイト作成にも活用できます。業務効率の取り組みとして、POSレジの導入や経理会計ソフトを購入することにより、販売管理業務や決算業務の効率化することも可能です。ただし、公序良俗に反するおそれや、公的な支援を行うことが適当でないと認められるものは対象外となります。

 応募の手続きは従来の郵送方式のほかに、政府が開発した統一的な補助金申請システム(名称:Jグランツ)による電子申請の利用が可能です。令和2年度は6/5、10/2、2/5がそれぞれ締め切り日となっています。そのため、自社の必要な時に必要なタイミングで申請をすることが可能です。用途は幅広くありますので、該当事業者は活用の検討をお勧めします。



成年後見制度と障害者控除


◆成年後見制度とは
 
 不動産・預貯金などの財産管理や、介護などのサービスや施設への入所に関する契約の締結、相続が発生した場合に遺産分割協議などをする必要があっても、認知症や知的障害などの理由で判断能力が不十分になると、これらを自分ですることが難しくなってきます。また、判断能力が不十分になってしまうと、自分に不利益な契約であってもよく理解ができずに契約を締結してしまい、悪徳商法の被害にあう危険もあります。
 成年後見制度は、このような判断能力の不十分な方々を保護し、支援する制度です。従来の禁治産・準禁治産制度に代わり、平成12年4月からスタートしています。


◆税理士会も支援しています
 
 税理士は、普段より、事業を営む方の税や経営に関することや個人の方々の資産管理に関することをお手伝いしています。 その豊富な経験を活かし、成年後見制度においても支援の必要な方々の貴重な財産の保全と適切な管理をお手伝いしています。
 全国各地の税理士会は成年後見支援センターを開設し、成年後見制度に関するご質問に対して無料で相談を受け付けています。
 また、日本税理士会連合会は、成年後見制度のパンフレットを作成し、各地の税理士会は、家庭裁判所へ成年後見人等の候補者となる税理士の名簿を提出するなどして、この制度を支援しています。


◆成年被後見人は特別障害者に該当
 
 家庭裁判所が鑑定人による医学上の専門的知識を用いた鑑定結果に基づき、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」として後見開始の審判をした場合には、所得税法上も、成年被後見人は「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」に該当し、障害者控除の対象となる特別障害者に該当します。居住者又は控除対象配偶者若しくは扶養親族が特別障害者である場合には、40万円の障害者控除が可能となります。(「成年被後見人の特別障害者控除の適用について」平成24年8月31日/照会者:一般社団法人 静岡県社会福祉士会/回答者:名古屋国税局審理課長)


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