2020年10月08日
中小企業の防災対策と税制・助成金
★ 川口明彦税理士事務所 事務所だより 2020年10月号 ★
だいぶ秋の気配のする今日この頃、
いかがお過ごしでしょうか。
それでは、今月の事務所だよりをお届けします。
2020年10月の税務
10/12
●9月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
10/15
●特別農業所得者への予定納税基準額等の通知
11/2
●8月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●2月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の2月、5月、11月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の7月、8月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(6月決算法人は2か月分)<消費税・地方消費税>
○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第3期分)(10月中において市町村の条例で定める日)
浸水被害への備え-中小企業の防災対策と税制・助成金-
◆浸水リスクを認識し、被害を想定する
最近の豪雨災害による被災状況は目を覆うばかりです。令和2年7月豪雨は、特定非常災害の指定が閣議決定されました。
事業継続のため河川の氾濫などによる浸水被害リスクを認識し、これまでの常識にとらわれることなく備えることが求められています。自治体のHPでは、地域ごとにハザードマップを公開しており、洪水や高潮による自社の浸水リスクを視覚的に把握し、被害を想定することができます。過去の被災記録、被災土地の形状も有用な情報です。
◆事前に講じるリスク対策
浸水が発生する前の現実的な対策として、次のものが検討できます。
(1)保険の付保(水災保証)
(2)電源装置、サーバーの階上への移設
(3)データのクラウド保存
(4)防災・復旧のための設備投資(発電設備、止水板、排水ポンプなど)など
◆防災のための税制・助成金を活用する
自然災害に備える中小企業者を支援する公的な措置には、次のものがあります。
(1)中小企業防災・減災投資促進税制(中小企業庁)
中小企業経営強化法に基づく「事業継続力強化計画」の認定を受けて防災・減災設備を取得した中小企業者には、事業供用年度にて取得価額の20%の特別償却ができる措置が設けられています。
機械・装置(100万円以上)、器具・備品(30万円以上)、建物附属設備(60万円以上)。自家発電設備や排水ポンプ、止水板、防水シャッターなどの取得が対象です。
(2)BCP実践促進助成金(東京都中小企業振興公社)
東京都が、自然災害や感染症による不測の事態に備えてBCP(事業継続計画)を実践する都内に本社を置く中小企業者に対し助成金を交付する制度です BCPの実践に必要な設備・物品の購入・設置費用として上限1,500万円の助成金が交付されます。
◆BCPの実効性を高めるために
災害発生直前まで、気象庁の発表するリアルタイム情報やタイムラインを活用して被害を最小にとどめる措置を講じます。災害発生前の備えにより、社員の安全確保、設備・データの保全につなげましょう。
令和2年秋 雇用保険の最新情報
◆失業保険の給付制限緩和
失業保険とは、雇用保険制度に基づいた求職者給付の基本手当のことで、会社を退職し転職活動を行う際に受給することができます。この雇用保険の基本手当は、失業手当や失業給付などと呼ばれることもあります。
これまで、会社を自己都合で退職した場合、基本手当の受給手続日から原則として7日経過した日の翌日から3か月間は、基本手当を受給できない期間がありました。これを「給付制限」といいます。
この度、令和2年10月1日以降に離職した労働者は5年間のうち2回まで、給付制限が2か月に短縮されることになりました。
給付制限期間が短すぎると、安易な離職を生み出すという懸念もありますが、本来失業給付は、「失業」または「離職」した労働者に対し、生活の保障と再就職の援助を行うための制度なので、要件緩和により、受給者が早期に生活の安定を図ることができると期待されています。
◆新型コロナによる退職の特例
私たちの生活に多大な影響を及ぼしている新型コロナウイルスですが、この影響により自己都合離職をした場合は、「特定理由離職者」とされ、正当な理由のある自己都合離職として給付制限を適用しないこととなっています。
令和2年2月25日以降に、以下の理由で離職をした労働者が対象となります。
①同居家族の感染等で看護が必要となった
②本人や同居家族に基礎疾患がある、妊娠中または高齢で、感染拡大防止や重症化防止のため
③保育所、幼稚園、小学校、特別支援学校等に通う子の看護が必要となった
◆コロナ退職の失業給付日数延長特例
新型コロナウイルスの影響で離職した労働者のうち、令和2年6月12日以後に基本手当の所定給付日数を受け終わる者を対象に、最大で60日間、雇用保険の基本手当給付日数が延長されます。
離職日が緊急事態宣言発令以前と、緊急事態宣言発令期間中、緊急事態宣言全国解除後で対象者の範囲が異なります。緊急事態宣言発令後の離職は、特定受給資格者と特定理由離職者が本件の対象となります。
働き方改革や新型コロナの影響で、失業給付制度は少しずつ変化しています。対象者となる方に伝えてあげたいですね。
だいぶ秋の気配のする今日この頃、
いかがお過ごしでしょうか。
それでは、今月の事務所だよりをお届けします。
2020年10月の税務
10/12
●9月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
10/15
●特別農業所得者への予定納税基準額等の通知
11/2
●8月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●2月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の2月、5月、11月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の7月、8月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(6月決算法人は2か月分)<消費税・地方消費税>
○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第3期分)(10月中において市町村の条例で定める日)
浸水被害への備え-中小企業の防災対策と税制・助成金-
◆浸水リスクを認識し、被害を想定する
最近の豪雨災害による被災状況は目を覆うばかりです。令和2年7月豪雨は、特定非常災害の指定が閣議決定されました。
事業継続のため河川の氾濫などによる浸水被害リスクを認識し、これまでの常識にとらわれることなく備えることが求められています。自治体のHPでは、地域ごとにハザードマップを公開しており、洪水や高潮による自社の浸水リスクを視覚的に把握し、被害を想定することができます。過去の被災記録、被災土地の形状も有用な情報です。
◆事前に講じるリスク対策
浸水が発生する前の現実的な対策として、次のものが検討できます。
(1)保険の付保(水災保証)
(2)電源装置、サーバーの階上への移設
(3)データのクラウド保存
(4)防災・復旧のための設備投資(発電設備、止水板、排水ポンプなど)など
◆防災のための税制・助成金を活用する
自然災害に備える中小企業者を支援する公的な措置には、次のものがあります。
(1)中小企業防災・減災投資促進税制(中小企業庁)
中小企業経営強化法に基づく「事業継続力強化計画」の認定を受けて防災・減災設備を取得した中小企業者には、事業供用年度にて取得価額の20%の特別償却ができる措置が設けられています。
機械・装置(100万円以上)、器具・備品(30万円以上)、建物附属設備(60万円以上)。自家発電設備や排水ポンプ、止水板、防水シャッターなどの取得が対象です。
(2)BCP実践促進助成金(東京都中小企業振興公社)
東京都が、自然災害や感染症による不測の事態に備えてBCP(事業継続計画)を実践する都内に本社を置く中小企業者に対し助成金を交付する制度です BCPの実践に必要な設備・物品の購入・設置費用として上限1,500万円の助成金が交付されます。
◆BCPの実効性を高めるために
災害発生直前まで、気象庁の発表するリアルタイム情報やタイムラインを活用して被害を最小にとどめる措置を講じます。災害発生前の備えにより、社員の安全確保、設備・データの保全につなげましょう。
令和2年秋 雇用保険の最新情報
◆失業保険の給付制限緩和
失業保険とは、雇用保険制度に基づいた求職者給付の基本手当のことで、会社を退職し転職活動を行う際に受給することができます。この雇用保険の基本手当は、失業手当や失業給付などと呼ばれることもあります。
これまで、会社を自己都合で退職した場合、基本手当の受給手続日から原則として7日経過した日の翌日から3か月間は、基本手当を受給できない期間がありました。これを「給付制限」といいます。
この度、令和2年10月1日以降に離職した労働者は5年間のうち2回まで、給付制限が2か月に短縮されることになりました。
給付制限期間が短すぎると、安易な離職を生み出すという懸念もありますが、本来失業給付は、「失業」または「離職」した労働者に対し、生活の保障と再就職の援助を行うための制度なので、要件緩和により、受給者が早期に生活の安定を図ることができると期待されています。
◆新型コロナによる退職の特例
私たちの生活に多大な影響を及ぼしている新型コロナウイルスですが、この影響により自己都合離職をした場合は、「特定理由離職者」とされ、正当な理由のある自己都合離職として給付制限を適用しないこととなっています。
令和2年2月25日以降に、以下の理由で離職をした労働者が対象となります。
①同居家族の感染等で看護が必要となった
②本人や同居家族に基礎疾患がある、妊娠中または高齢で、感染拡大防止や重症化防止のため
③保育所、幼稚園、小学校、特別支援学校等に通う子の看護が必要となった
◆コロナ退職の失業給付日数延長特例
新型コロナウイルスの影響で離職した労働者のうち、令和2年6月12日以後に基本手当の所定給付日数を受け終わる者を対象に、最大で60日間、雇用保険の基本手当給付日数が延長されます。
離職日が緊急事態宣言発令以前と、緊急事態宣言発令期間中、緊急事態宣言全国解除後で対象者の範囲が異なります。緊急事態宣言発令後の離職は、特定受給資格者と特定理由離職者が本件の対象となります。
働き方改革や新型コロナの影響で、失業給付制度は少しずつ変化しています。対象者となる方に伝えてあげたいですね。
Posted by taxman at 13:43│Comments(0)
│川口会計事務所だより
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