2011年12月26日
通勤手当非課税枠縮減、専業主婦の年金の夫との折半案
★ 川口明彦税理士事務所 事務所だより 2012年1月号 ★
年の瀬も間近になって参りました。
今年もお世話になり、ありがとうございました。
どうぞよいお年をお迎え下さいますようお祈りいたします。
それでは、今月の事務所だよりをお届けします。
平成24年1月の税務
1月10日
●前年12月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
1月31日
●前年11月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●源泉徴収票の交付
●支払調書の提出
●固定資産税の償却資産に関する申告
●2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●5月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が400万円超の2月、5月、8月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の10月、11月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(9月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
●給与支払報告書の提出
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○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第4期分)
○給与所得者の扶養控除等申告書の提出
今年の税制改正 通勤手当非課税枠縮減
◆通勤手当非課税の規定
通勤手当非課税は所得税法に定めがありますが、無制限非課税ではなく、政令で通勤手当の諸態様に応じた1ヶ月当りの非課税限度額が定められています。
通勤手当の態様と非課税限度額は次のように大きく4つに分類されます。
①通勤定期券の現物支給を受けている場合のその通勤定期券(10万円限度)
②交通機関利用者の自己負担通勤費の補填として受ける通勤手当(10万円限度)
③自転車・自動車等利用通勤者が受ける通勤手当(距離別非課税限度額)
④上の②③の両方の利用者が受ける通勤手当(②と③の合計額で10万円限度)
◆距離別非課税限度額とは
自転車・自動車等利用通勤者の受ける通勤費については、距離別非課税限度額が次のように定められています。
片道通勤距離 非課税限度額
2キロメートル未満 なし(全額課税)
10キロメートル未満 4,100円
15キロメートル未満 6,500円
25キロメートル未満 11,300円
35キロメートル未満 16,100円
45キロメートル未満 24,500円
◆15キロメートル以上の場合の特例廃止
通勤距離が片道15 キロメートル以上の自転車・自動 車等利用通勤者で、交通機関を利用した場合の運賃相当額を通勤手当として受けている場合には、その金額を距離別非課税限度額(10万円限度)とすることが出来ることになっていましたが、今年の税制改正で、この部分が廃止されました。
この改正は、平成24 年1月1日以後に受けるべき通勤手当について適用されます。
◆改正要望は国土交通省
国交省は、交通手段を公共交通機関の利用に選択誘導し、環境負荷の適正化に資する、とともに、マイカー利用者に実費を基準とする額を超えて非課税措置が適用されている歪みがあるので、適正化する、と昨年の税制改正要望に記していました。
しかし、マイカー利用者の利用実費(燃料費ほか維持費等と車両代)が距離別非課税限度額に満たないという歪みがあるという認識には誤解がありそうです。
主婦の年金改革案不満は解消せず
◆主婦の年金見直し案
厚生労働省は先ごろ専業主婦の年金改革案を発表しました。
それによると会社員の夫の厚生年金保険料の半分を専業主婦の妻が負担したとみなし、夫の厚生年金保険の半分を妻に給付するというものです。
◆現行では専業主婦は保険料負担無し
専業主婦の保険料は会社員の給与所得者で肩代わりをしています。この事は働いている女性からは「なぜ他人の妻の保険料を負担するのか」と言う声が多く、このため出された案は主婦も家事で夫の稼ぎに貢献しているのだから夫の年金の半分を渡すというもの。これには半分に減ってしまう夫側からの抵抗が大きいのも事実です。また、専業主婦も夫の死後に受け取る遺族年金が現在は亡夫の厚生年金の4分の3が受け取れるのに妻が半分の自分の厚生年金を持つと亡夫の遺族年金を受け取れなくなる恐れもあります。年金改革案と言いながら専業主婦の負担は会社員全員で肩代わりする状態は変わりません。自営業者やその妻の基礎年金の保険料は月15,020円、それを専業主婦に求める事も反発が大きく給付も負担も変える事は容易ではないようです。
◆パート労働者の厚年加入問題
また、パートタイマーで働く短時間労働者の厚生年金保険の加入拡大は現在の週30時間勤務から20時間以上、収入条件も年130万円以下に下げる案を出しています。外食産業や流通業などパート労働者を多く抱えるところからかなりの反発があり、パート自身も保険料負担に消極的です。しかしパートでも夫が自営業や独身の人は自分で国民年金保険料を支払い、払えない時は年金額が減額されるのにという意見もあります。
◆抜本改革は道遠し
夫の納めた保険料を夫婦の共同負担とみなし負担と給付を2等分する今回の案。外国ではフランスが夫婦の所得を合算後に2等分し各々の所得とみなす方法を採用していますが、累進税率の課税の公平性を目的としているものです。片方の収入が高い場合、税負担を減じ、負担を公平にする事が目的で行われているそうです。日本の場合税には適用せず、専業主婦の年金保険料だけに限定しています。目先を変えても中途半端な改革案ではないかとの意見が出されています。
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川口 明彦 税理士事務所
〒410-0823 静岡県沼津市我入道東町90番地
http://www.kaikei-home.com/kawaguchi/
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年の瀬も間近になって参りました。
今年もお世話になり、ありがとうございました。
どうぞよいお年をお迎え下さいますようお祈りいたします。
それでは、今月の事務所だよりをお届けします。
平成24年1月の税務
1月10日
●前年12月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
1月31日
●前年11月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●源泉徴収票の交付
●支払調書の提出
●固定資産税の償却資産に関する申告
●2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●5月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が400万円超の2月、5月、8月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の10月、11月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(9月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
●給与支払報告書の提出
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○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第4期分)
○給与所得者の扶養控除等申告書の提出
今年の税制改正 通勤手当非課税枠縮減
◆通勤手当非課税の規定
通勤手当非課税は所得税法に定めがありますが、無制限非課税ではなく、政令で通勤手当の諸態様に応じた1ヶ月当りの非課税限度額が定められています。
通勤手当の態様と非課税限度額は次のように大きく4つに分類されます。
①通勤定期券の現物支給を受けている場合のその通勤定期券(10万円限度)
②交通機関利用者の自己負担通勤費の補填として受ける通勤手当(10万円限度)
③自転車・自動車等利用通勤者が受ける通勤手当(距離別非課税限度額)
④上の②③の両方の利用者が受ける通勤手当(②と③の合計額で10万円限度)
◆距離別非課税限度額とは
自転車・自動車等利用通勤者の受ける通勤費については、距離別非課税限度額が次のように定められています。
片道通勤距離 非課税限度額
2キロメートル未満 なし(全額課税)
10キロメートル未満 4,100円
15キロメートル未満 6,500円
25キロメートル未満 11,300円
35キロメートル未満 16,100円
45キロメートル未満 24,500円
◆15キロメートル以上の場合の特例廃止
通勤距離が片道15 キロメートル以上の自転車・自動 車等利用通勤者で、交通機関を利用した場合の運賃相当額を通勤手当として受けている場合には、その金額を距離別非課税限度額(10万円限度)とすることが出来ることになっていましたが、今年の税制改正で、この部分が廃止されました。
この改正は、平成24 年1月1日以後に受けるべき通勤手当について適用されます。
◆改正要望は国土交通省
国交省は、交通手段を公共交通機関の利用に選択誘導し、環境負荷の適正化に資する、とともに、マイカー利用者に実費を基準とする額を超えて非課税措置が適用されている歪みがあるので、適正化する、と昨年の税制改正要望に記していました。
しかし、マイカー利用者の利用実費(燃料費ほか維持費等と車両代)が距離別非課税限度額に満たないという歪みがあるという認識には誤解がありそうです。
主婦の年金改革案不満は解消せず
◆主婦の年金見直し案
厚生労働省は先ごろ専業主婦の年金改革案を発表しました。
それによると会社員の夫の厚生年金保険料の半分を専業主婦の妻が負担したとみなし、夫の厚生年金保険の半分を妻に給付するというものです。
◆現行では専業主婦は保険料負担無し
専業主婦の保険料は会社員の給与所得者で肩代わりをしています。この事は働いている女性からは「なぜ他人の妻の保険料を負担するのか」と言う声が多く、このため出された案は主婦も家事で夫の稼ぎに貢献しているのだから夫の年金の半分を渡すというもの。これには半分に減ってしまう夫側からの抵抗が大きいのも事実です。また、専業主婦も夫の死後に受け取る遺族年金が現在は亡夫の厚生年金の4分の3が受け取れるのに妻が半分の自分の厚生年金を持つと亡夫の遺族年金を受け取れなくなる恐れもあります。年金改革案と言いながら専業主婦の負担は会社員全員で肩代わりする状態は変わりません。自営業者やその妻の基礎年金の保険料は月15,020円、それを専業主婦に求める事も反発が大きく給付も負担も変える事は容易ではないようです。
◆パート労働者の厚年加入問題
また、パートタイマーで働く短時間労働者の厚生年金保険の加入拡大は現在の週30時間勤務から20時間以上、収入条件も年130万円以下に下げる案を出しています。外食産業や流通業などパート労働者を多く抱えるところからかなりの反発があり、パート自身も保険料負担に消極的です。しかしパートでも夫が自営業や独身の人は自分で国民年金保険料を支払い、払えない時は年金額が減額されるのにという意見もあります。
◆抜本改革は道遠し
夫の納めた保険料を夫婦の共同負担とみなし負担と給付を2等分する今回の案。外国ではフランスが夫婦の所得を合算後に2等分し各々の所得とみなす方法を採用していますが、累進税率の課税の公平性を目的としているものです。片方の収入が高い場合、税負担を減じ、負担を公平にする事が目的で行われているそうです。日本の場合税には適用せず、専業主婦の年金保険料だけに限定しています。目先を変えても中途半端な改革案ではないかとの意見が出されています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
川口 明彦 税理士事務所
〒410-0823 静岡県沼津市我入道東町90番地
http://www.kaikei-home.com/kawaguchi/
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Posted by taxman at 09:48
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