2012年11月06日
年齢による社会・労働保険の留意点、会社分割と消費税納税義務
★ 川口明彦税理士事務所 事務所だより 2012年11月号 ★
朝夕はひときわ冷え込むようになりました。
時節柄、お風邪など召されませぬようご自愛下さい。
それでは、今月の事務所だよりをお届けします。
平成24年11月の税務
11月12日
●10月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
11月15日
●所得税の予定納税額の減額申請
11月30日
●9月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●所得税の予定納税額の納付(第2期分)
●3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●3月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の3月、6月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の8月、9月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(7月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
●特別農業所得者の所得税の予定納税額の納付
-----------------------------------------------
○個人事業税の納付(第2期分)
年齢による社会・労働保険の留意点
◆社会・労働保険の年齢の取り扱い
年齢は「満年齢」で表し、数え方は年齢計算に関する法律と民法で「誕生日を年齢の起算日とする」事が定められています。又普通、期間の計算は初日を除き翌日を起算日とする事が原則ですが年齢に関しては「初日(誕生日)を起算日とする」こととしています。つまり生まれた日を第一日目と数え、起算日の前日(誕生日の前日)に年数を一つ加える(一つ歳を取る)こととされています。規定に○歳に達した日と定められている時はその日は誕生日ではなく誕生日の前日を指します。
◆社会・労働保険 制度ごとの注意点
健康保険・・・70歳になると収入に応じて病院に支払う自己負担額が変更になる場合があります。70歳に達した日の属する月の翌月から適用されます。高齢受給者証が交付され負担割合が記載されています。
75歳になると後期高齢者医療制度に加入するので健保の資格喪失届を提出します。この場合資格喪失日は75歳の誕生日です。
介護保険・・・65歳以上の第一号被保険者と医療保険制度に加入している40歳以上65歳未満の第2号被保険者に区分され、第2号被保険者は40歳に達した日の属する月から65歳に達した日の属する月の前月まで保険料を徴収します。保険料は給与では前月分の保険料を徴収し賞与では当月分の保険料を徴収します。
厚生年金保険・・・老齢年金受給では60歳に達した日に特別支給の老齢厚生年金が、65歳に達した時には老齢基礎年金、老齢厚生年金の受給権が発生し、発生日が属する次の月から支給されます。
また、70歳に達した日で被保険者資格を喪失し、資格喪失届を提出します。70歳以降も同様の勤務を継続している人は70歳以上被保険者該当届を提出します。さらに算定、月変、賞与の際も70歳以上の届出が必要です。
雇用保険・・・65歳に達した日以降、新たに雇われた人は一般被保険者にはなれませんが、その日より前に同一事業所で引き続き雇用保険人加入していた人は継続して被保険者になれます。
毎年4月1日に満64歳以上の人は労使とも保険料は免除されます。
会社分割と消費税納税義務
◆合併と会社分割は違うのに同じ扱い
合併では被合併会社は消滅します。それに対して会社分割では、分割会社の一部分だけが消滅し、分割承継会社に引き継がれるので、部分合併と言うこともできます。
従って、会社分割の場合の分割承継法人の消費税の課税・免税事業者の判定は、分割承継法人の基準期間の課税売上高と、分割法人の基準期間の課税売上高の内の、分割部分に対応する金額を合計して、合計額が1千万円を超えるかどうかで判定しそうに推測されます。
しかし、そうではなく、分割部分に対応する額を求めることはせず、合併の場合と同じく、分割承継法人と分割法人の各基準期間の課税売上総額の合計額を判定対象にします。部分合併の性格でも、全部合併の扱いです。
◆分割年と分割翌年だけは特殊な扱い
ただし、新設分割の場合は、新設会社に基準期間がないので、分割年度と分割翌年度の新設法人の課税・免税事業者の判定は、分割法人の各基準期間の課税売上総額によります。
吸収分割での分割承継法人が免税事業者だった場合には、会社分割に伴う課税・免税事業者の再判定は、分割年度と分割翌年度の両方において、分割法人の各基準期間の課税売上総額によります。
◆新設分割の分割翌々年以降の永久規定
新設分割の場合の分割翌々年におけるその新設会社の課税・免税事業者の判定は、分割会社と分割承継会社の基準期間の課税売上高の総額を合計したところで判定し、その期間の中途で分割があるときには分割月までの期間按分をします。合併法人の場合と同じです。
ただし、分割法人と新設承継法人との間に支配関係があると、分割翌々年以後、期間無制限に、分割会社と分割承継会社の両方において、課税・免税事業者の判定は、分割会社と分割承継会社の基準期間の課税売上高の総額を合計したところで判定します。新設分割には、嫌になる規定です。
◆吸収分割の分割翌々年以降には規定なし
合併や新設分割と異なり、吸収分割には、分割翌々年以降に関する特別の定めがありません。新設分割で何時までもしつこく合計での判定をしたがるのと雲泥の差です。
吸収分割で済むのだったら、新設分割は避けるべき方策なのかもしれません。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
川口 明彦 税理士事務所
〒410-2132 静岡県伊豆の国市奈古谷702番地の8
http://www.kaikei-home.com/kawaguchi/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
朝夕はひときわ冷え込むようになりました。
時節柄、お風邪など召されませぬようご自愛下さい。
それでは、今月の事務所だよりをお届けします。
平成24年11月の税務
11月12日
●10月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
11月15日
●所得税の予定納税額の減額申請
11月30日
●9月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●所得税の予定納税額の納付(第2期分)
●3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●3月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の3月、6月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の8月、9月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(7月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
●特別農業所得者の所得税の予定納税額の納付
-----------------------------------------------
○個人事業税の納付(第2期分)
年齢による社会・労働保険の留意点
◆社会・労働保険の年齢の取り扱い
年齢は「満年齢」で表し、数え方は年齢計算に関する法律と民法で「誕生日を年齢の起算日とする」事が定められています。又普通、期間の計算は初日を除き翌日を起算日とする事が原則ですが年齢に関しては「初日(誕生日)を起算日とする」こととしています。つまり生まれた日を第一日目と数え、起算日の前日(誕生日の前日)に年数を一つ加える(一つ歳を取る)こととされています。規定に○歳に達した日と定められている時はその日は誕生日ではなく誕生日の前日を指します。
◆社会・労働保険 制度ごとの注意点
健康保険・・・70歳になると収入に応じて病院に支払う自己負担額が変更になる場合があります。70歳に達した日の属する月の翌月から適用されます。高齢受給者証が交付され負担割合が記載されています。
75歳になると後期高齢者医療制度に加入するので健保の資格喪失届を提出します。この場合資格喪失日は75歳の誕生日です。
介護保険・・・65歳以上の第一号被保険者と医療保険制度に加入している40歳以上65歳未満の第2号被保険者に区分され、第2号被保険者は40歳に達した日の属する月から65歳に達した日の属する月の前月まで保険料を徴収します。保険料は給与では前月分の保険料を徴収し賞与では当月分の保険料を徴収します。
厚生年金保険・・・老齢年金受給では60歳に達した日に特別支給の老齢厚生年金が、65歳に達した時には老齢基礎年金、老齢厚生年金の受給権が発生し、発生日が属する次の月から支給されます。
また、70歳に達した日で被保険者資格を喪失し、資格喪失届を提出します。70歳以降も同様の勤務を継続している人は70歳以上被保険者該当届を提出します。さらに算定、月変、賞与の際も70歳以上の届出が必要です。
雇用保険・・・65歳に達した日以降、新たに雇われた人は一般被保険者にはなれませんが、その日より前に同一事業所で引き続き雇用保険人加入していた人は継続して被保険者になれます。
毎年4月1日に満64歳以上の人は労使とも保険料は免除されます。
会社分割と消費税納税義務
◆合併と会社分割は違うのに同じ扱い
合併では被合併会社は消滅します。それに対して会社分割では、分割会社の一部分だけが消滅し、分割承継会社に引き継がれるので、部分合併と言うこともできます。
従って、会社分割の場合の分割承継法人の消費税の課税・免税事業者の判定は、分割承継法人の基準期間の課税売上高と、分割法人の基準期間の課税売上高の内の、分割部分に対応する金額を合計して、合計額が1千万円を超えるかどうかで判定しそうに推測されます。
しかし、そうではなく、分割部分に対応する額を求めることはせず、合併の場合と同じく、分割承継法人と分割法人の各基準期間の課税売上総額の合計額を判定対象にします。部分合併の性格でも、全部合併の扱いです。
◆分割年と分割翌年だけは特殊な扱い
ただし、新設分割の場合は、新設会社に基準期間がないので、分割年度と分割翌年度の新設法人の課税・免税事業者の判定は、分割法人の各基準期間の課税売上総額によります。
吸収分割での分割承継法人が免税事業者だった場合には、会社分割に伴う課税・免税事業者の再判定は、分割年度と分割翌年度の両方において、分割法人の各基準期間の課税売上総額によります。
◆新設分割の分割翌々年以降の永久規定
新設分割の場合の分割翌々年におけるその新設会社の課税・免税事業者の判定は、分割会社と分割承継会社の基準期間の課税売上高の総額を合計したところで判定し、その期間の中途で分割があるときには分割月までの期間按分をします。合併法人の場合と同じです。
ただし、分割法人と新設承継法人との間に支配関係があると、分割翌々年以後、期間無制限に、分割会社と分割承継会社の両方において、課税・免税事業者の判定は、分割会社と分割承継会社の基準期間の課税売上高の総額を合計したところで判定します。新設分割には、嫌になる規定です。
◆吸収分割の分割翌々年以降には規定なし
合併や新設分割と異なり、吸収分割には、分割翌々年以降に関する特別の定めがありません。新設分割で何時までもしつこく合計での判定をしたがるのと雲泥の差です。
吸収分割で済むのだったら、新設分割は避けるべき方策なのかもしれません。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
川口 明彦 税理士事務所
〒410-2132 静岡県伊豆の国市奈古谷702番地の8
http://www.kaikei-home.com/kawaguchi/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Posted by taxman at 09:39
│川口会計事務所だより